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株式会社ブループロジェクト
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マイク一本から始めよう。 〜ブループロジェクト 30周年記念ヒストリー〜
著者 葛西敏明
episode 1-5
5、営業報告
急に四角い和風傘の蛍光灯がプチンときれて、台所の漏れあかりになる。
「ジャジヤーン 発表しまーす、本年度 学園祭営業報告、営業結果は、、、」一同 知ってるはずなのに息を飲む、こんな所は妙に仲が良い。
葛西が満面の笑顔で、カチンと蛍光灯をつけて見せる、まだ蛍光灯のグローランプがギラグラしている中で「なんとー11高校 取れました!」そう言いながら、グッと拳を体の一番遠い所から強く引きつけバンと胸を叩き、ざまあみろと言う表情でみんなの顔をぐるっと見渡していた。
おーっ、結構簡単に高校の文化祭は取れるのか、一年目からこんなに簡単に仕事があるなら結構上手くいくかも知れないと思ったが、なぜだか側頭部の奥が痛み出していた。
ーーー
四角く区切られた透明なケースの中は、春だというのにワイシャツの背中をびっしり汗で埋めてくれる、50と書かれた水色のテレフォンカードは毎日0の度数を示していた。
俺はいつもの電話ボックスでパンをかじりながら、ノートに書かれた学校に電話
をしている、すでに埼玉県は惨敗で赤いサインペンの線がびっしり横に敷かれてい
る。
コンコンという音に気づくと、同僚が昼食の時間の終わりを教えてくれていた、
食べかけのパンを喉の奥へ押し込み急いでネクタイを締め直す、午後の病院周りが
始まる。
平日は、車で都内の病院を周り血液などを回収して、検査結果を届ける仕事をし
ている、おかげで上手く時間が作れることもあって、空き時間に高校に営業電話を
しているのだが,全くをもって学校という場所は、部外者からの連絡をシャットダウンするところのようだ。俺と浅利はあらかじめチラシを作り、営業予定の学校200校あまりにダイレクトメールを送っていた。
しかしほぼ90%が事務室でシャットダウン、運良く担当の先生につないでもらっても、今までの経歴や他の学校の実績を聞かれ そこでゲームオーバーになっていた。
もう100校はゆうに電話をかけていたある日、一度お話を伺いたいので学校まで来ていただけますか?と 明るい声の男性教員からの返事があった、また駄目かと勘違いをして電話を切りかけた時、男性教員が大きな声で受話器の向こうからストップをしてくれた。
松戸にあるその高校は昼は全日制 夜は定時制になる高校だった、俺は手慣れない
表情で名刺を交換し自己紹介をした。
「ライブプランニングブルーの葛西と申します。今回はありがとうございます。」
なんとも気が利かない挨拶だった、少し小太りで人が良さそうな男性は山崎と名乗っ
た、軽音楽部の顧問の先生で、今年から 二箇所でライブをするので予算を踏まえ
て何か良い方法が無いか検討しているのだそうだ。
場所を下見して学校の手持ち機材を確認して、幾つかの提案をした、正直こちら
も機材は豊富では無いので出来れば、学校の機材を使えれば都合も良い。
そんな提案を山崎先生は、他の音響会社では全て持ち込まないと出来ないと断れていた様で、とても喜んでもらってその日のうちに、決定を出してくれた。
翌日 仕事終わりで正式な見積もりを渡しに行くと、以前勤めていた学校や仲の良い 軽音楽部の先生を何人か紹介してくれた。
この日をきっかけに、赤い横線は 丸い印に変わっていった。
いつもの電話ボックスには蝉の抜け殻と、すっかりアイスが美味しい季節に変わって行った。
〜〜頑張ろ、と空を見上げた。
ーーー
僕の苦手な季節がやってきた、ミンミン鳴く蝉も気に触るし、海に誘われるのが昔の苦い思い出を想い出してしまい、いまいち不快だ。
そんな夏には 英二 長谷川 窪田も手伝ってくれていて総勢8人になっていた。
当然みんな昼間は仕事をして夜集まってミーティング、週末は葛西叔父のイベン
トもポツポツこなせる様になって来た。
機材もさすがにアパートには置けず、学生時代にお世話になった楽器屋店長の小
檜山さんの伝で、使っていない古い倉庫を間借りさせて貰った。
倉庫と言っても敷地内は土に雑草、倉庫部分は農家の器具やお米なんかをしまっ
ていたのだろうか、高さも腰高くらいで木造、扉は引き戸でガタガタ言いながら開
けなければならない。倉庫の中には、先客の機材もあるようだ、倉庫のオーナーに
はこの機材を格安で引き取ってくれないかとも話しを頂いたが、まだまだそんな余
裕は無いようで丁重に断っていたようだ。
葛西に至っては、昼間明るいうちは辛うじて倉庫に機材を引き取りに来るが、夜は絶対に1人では来ないようで、夜は毎回一緒に付き合わされる。
何か見えるのだろうか?
借りるときに浅利とゴニョゴニョ言っていたのが少し気になるが、まぁ僕には関係のないところだ。
2020年2月28日